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注意欠陥・多動性障害(ADHD)の特徴や診断・治療について

落ち着きがない、すぐ物を無くす子供は、発達障害のADHD(注意欠陥多動性障害)かもしれません。子供のADHDの特徴や診断やサポートについて基本的な情報をまとめました。

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは?

ADHD(注意欠陥多動性障害・注意欠如多動性障害)は、自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)、アスペルガー症候群や学習障害(LD)と同じ、発達障害のひとつです。

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ADHD(注意欠陥多動性障害)は、「多動性」「不注意」「衝動性」の3つの特徴を持つ障害です。
それぞれの特徴の強弱により、「不注意優勢型」「多動性・衝動性優勢型」「混合型」と3つのタイプに分類されます。
多動の症状は多くの場合、成長するにつれて治まっていきますが、不注意や衝動性は治まりにくいと言われています。

ADHDの子供の特徴

小学校入学前は元気が良い子と思われて判明しにくく、小学校入学後に授業中に立ち歩いてしまうことなどをきっかけに判明することが多いのが特徴です。また、はっきりと診断がつくのは5〜7歳頃からと言われています。
子供の頃には気づかなかったけれど、大人になってからADHDと気が付き、専門機関で受診をして診断されている人も多くいます。

ADHDの子供は忘れ物が多かったり、衝動的に行動をしてしまい、学校・幼稚園や家庭で「落ち着きがない」「やる気がない」「だらしがない」「乱暴」「怠け者」と、評価をされてしまいがちです。
また厳しく叱るだけでは行動が改善しないため、無理解な周囲に厳しく叱られたり注意を受けることを繰り返していくうちに、親子関係がこじれたり友達関係が悪化し、うつや不登校など、深刻な二次障害を引き起こしてしまう恐れもあります。

多くのADHDの子供は、わざと問題行動を起こしているわけではないのに叱られ続け、心に沢山の傷を抱えています。
お子さんの様子に心配なところが見られる場合は、早めに検査を受け適切なサポートをし、二次障害の予防をしていくことが大切です。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の原因

昔はADHDは家庭環境や親のしつけが原因と考えられてきましたが、現在では育て方やしつけとはまったく関係がない事が解っています。ADHDのはっきりとした原因はまだ特定はされていませんが、遺伝子など何らかの理由で、脳や中枢神経の一部の機能に障害が起きることが原因だと考えられています。

ADHDは治る?

ADHDは発達障害のひとつで、脳や中枢神経の機能に障害があることが原因です。生まれつきの障害ですので治ることはありませんが、療育や訓練、適切なサポートを続けていくことで、社会への適応能力を身につけることができます。
ADHDの子供は上手に育てると、大人になってから周囲を楽しくさせて人から好かれる人間になることも多いと言われています。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の特徴・症状・チェック

ADHDは「不注意優勢型」「多動性・衝動性優勢型」「混合型」の3つのタイプに分けられます。多動の特徴は成長と共に治まることも多く、不注意が由来の行動は成長しても治まりにくいと言われています。

ADHDの特徴

不注意優勢型の特徴・症状

すぐに気が散りやすく集中力が続かない、集中しすぎて切り替えられない
よく物を失くす、忘れ物が多い
物事を最後まで終えられない、物事を計画的に進められない
時間や期限が守れない、遅刻が多い、約束時間や期日を忘れてしまう
片付けが苦手、片付けている間に他のことを始めてしまう
金銭の管理ができない

多動性・衝動性優勢型の特徴・症状

落ち着きが無い、電車やバス内でじっとしていられない、いつも貧乏ゆすりをしている、
授業中や食事中に急に立ち上がったり歩き回ったりする
つい手を出してしまう(暴力を振るってしまう)、感情のコントロールが苦手
自分の事ばかりを話す、話が止まらない
他人の気持ちは分かるが不用意な発言で相手を不快にさせてしまう
他人の物を勝手に取り上げてしまう

ADHDの検査・診断

ADHDの診断や検査は、発達障害と同じものになります。

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知能や言葉の理解やコミュニケーションなどの検査や、視力や聴力、体の動作なども検査を行い、時間をかけて慎重に診断されます。
検査の目的は、単に知的能力や発達の遅れを調べるだけではなく、子供の得意不得意や発達の偏り、どのような接し方や療育が効果的か、医学的な根拠を元に探って見つける、ということにもあります。

ADHDの治療

行動療法

SST(ソーシャルスキルトレーニング)を学ぶことで、社会性やミスを減らす方法を身につけていきます。SSTは通級指導教室や療育機関で受けることが可能です。
また、発達障害やADHDの子供の保護者が、子供の特性や子供への関わり方を学ぶ「ペアレント・トレーニング」を身につけることで、子供本人も困ったことや自分の苦手への対応方法を徐々に身につけていくことができます。
ペアレント・トレーニングは専門機関で不定期に開講していますが、市販の書籍で学ぶこともできます。

環境調整

学校や家庭の環境を、本人が過ごしやすいように調整します。具体的な例は、気が散らないように部屋のものや壁の掲示物を減らしたり、イヤーマフや耳栓で音を遮断するなどがあります。

ADHDの子供の薬物療法

ADHDの薬物治療

発達障害の中で唯一ADHDのみ治療薬があり、医療的な薬物治療が行えます。
子供に処方されるADHD治療薬には『メチルフェニデート塩酸塩(コンサータ)』と『アトモキセチン塩酸塩(ストラテラ)』があります。これらの薬は脳の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの不足を改善する効果があります。

薬物療法の目的は、単にADHDの症状を押さえることではなく、ADHDの症状が緩和されている状態を保つことで、注意や叱責を受ける機会を減らし、「出来た!」「分かった!」などの成功体験を重ねていき、それによって自尊心を回復させ自己肯定感を育み、二次障害を予防することにあります。
薬の効果は個人差が大きく、あまり改善が見られない場合もあります。

サプリメント

ADHDの症状の改善には、サプリメントが効果的という様々な研究結果が出ています。
効果があるとされている栄養素(成分)は、DHAやEPAなどのオメガ3、レシチン、コリン、ホスファチジルセリン、バコパ、Lチロシン、亜鉛、ギンコビロバ(イチョウ葉)などがあります。
子供の場合はマルチビタミンのように1粒に複数の有効成分が入っているタイプのものがおすすめです。

ADHDの対策

ADHDの子供の対策には、本人の特徴に合った方法や道具によるサポート、親のサポートがとても大切です。
学校や家庭で怒られたり注意を受ける機会が少なくなるように、様々な工夫を取り入れてミスを防いでいくという考えで取り組むことをおすすめします。

物を無くさない工夫

物を無くさないように、家庭では持ち物の置き場所を決めておきます。文房具類はどうしても無くしてしまいがちなので、無くしても困らないように2個ずつ購入したりストックを置いておくようにすることをおすすめします。

時間の管理、やることの管理

ホワイトボードとマグネットシートや付箋などを活用して、毎日のやることをパッと見て分かるようにしてあげると、毎日同じ注意をすることが減ります。
プリントや宿題や提出物の管理は、小学校高学年になったら中学校進学へ向けて、徐々に本人が出来るように工夫をしていきましょう。
また集中力が保てないタイプには、キッチンタイマーを使って時間を区切ってあげるのも有効です。

まとめ

ADHDの人が充実した生活をおくるためには、適切なトレーニングをすること、本人が成長とともに徐々に自分の苦手や不得意を理解していくこと、また、なるべくミスをしない環境を作っていくことがポイントです。
インターネットや書籍で情報収集をして、これなら大丈夫という道具や方法を色々と試してみてくださいね!

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